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◆ふるさと

中瀬村という村で代々百姓の家に生まれた杉山正一は、学校を卒業後、故郷を捨て上京。友人を頼って一緒のアパートに住み、真面目に働いていたが、突然友人が蒸発する。友人は正一の通帳や私物、正一が預けていた家賃まで持ち逃げしていた。しかも正一の名前であちこち金を借りていたことで正一は一文無しになり、アパートを追い出され、思わず犯してしまった万引きをきっかけに、ヤクザにまで落ちぶれていった。
月日は流れ、おろちは他のヤクザと喧嘩していた正一を見つける。その最中に正一は車と接触して怪我を負ってしまい、咄嗟に助けに入ったおろちによって病院に運ばれた。しかし正一の症状は次第に悪化。脳に鉄片が入っており、手術で取り除くことが困難であることがわかった。その間にも、正一は「田舎へ帰りたい!!」と強く思うようになる。
一方のおろちは病院を後にして、正一の生まれ故郷の中瀬村へ行ってみることにした。ところが電車に乗っている時、病院にいるはずの正一が車内に現れる・・・。

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これはほんの序盤で、これからもっと凄い展開になっていきます。狂言回しのおろちが積極的に介入していきます。が、このお話は下手に文章で説明するより、実際に読んだほうがいいと思います。かなり説明が面倒くさい(笑)とんでも話になっています。そしてラストは・・・。
楳図先生お得意のホラー描写満載で、ある少年がおろちと対峙するシーンはびびらされます。
突拍子な世界観に感じましたが、中々読み応えありました。
しかし調べると、この世界観は有名な外国映画が元ネタになっているみたいですね。でもこのお話自体が結構楽しめたので、その映画もいずれ見てみたいです。

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中々ブログを書く時間が取れないのが目下の悩み。遅筆でかなり推敲に推敲を重ねているから(だからと言って立派な文章になっていないな・・・)一作品書くのにやたら時間がかかることかかること。楳図作品は語りたい作品が山のように溜まっているのに。

この話からはサンデーコミックス2巻に収録されています。
 

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◆カギ

ある団地に住む人々の生活を観察しようと、おろちはその団地に住むことにした。途中で男の子に会い、部屋の場所を教えてもらったのだが、教えてくれたのは全く逆方向だった。
その男の子ーひろゆきは「うそつき」と呼ばれており、両親に嘘をついては怒られ、幼稚園でも皆から嫌われていた。一番酷かったことは、隣の部屋に住む足の悪い女の子・恵美の真似をして足に包帯を巻き、怪我をしたから幼稚園に行けないという嘘をついたことだった。あまりの酷さに、おろちもこの子にだけは同情を持つのはやめようと思った。
ある日、かぎっ子であるひろゆきは留守番中にベランダから隣の部屋へ渡り、カーテンの隙間から隣室を覗いた。そこで恵美が母親に首を絞められて殺されているところを目撃してしまう。慌てて自分の部屋へ戻ろうとしたが、その途中で植木鉢を倒してしまったことで母親に気づかれてしまい、家の鍵まで落としてしまった。
夜になって帰ってきた両親に恵美が殺されたことを話すが、普段の嘘つきの言動が祟ってか、全く信じてもらえない。しかも翌朝になって母は、恵美の母親に息子の嘘を話してしまう。恵美の母親の表情が凄まじいものに変わっていき、怯える日々を過ごすひろゆき。
幼稚園が休みの日、母は恵美の母親に「遅くなるからよろしく」と言付けて、ひろゆきを置いて仕事へ出掛けてしまった。自分が落とした鍵を持っているに違いない、きっと自分を殺しにやってくると考えていたひろゆきは、家中の物を玄関の前に置いてバリケートをするが、忘れ物を取りに戻ってきた父に見つかり、唯一の武器であるパチンコまで取り上げられてしまう。父が出て行った後、ひろゆきは団地の廊下から隣の夫婦の様子を見張った。すると鍵を持った恵美の母親が、ロープを持った夫と一緒にひろゆきの部屋へ入っていった。すぐにひろゆきは団地の外へ飛び出し、近所の人たちに「だれかたすけて!ぼくころされるよう!」と訴えるが、やはり信じてもらえない。おろちも随分悪どい嘘だと思いながら黙って見ていた・・・。

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どこから見ても有名な「オオカミ少年」が元ネタですね。正直、主人公のひろゆきの悪行があまりにも酷すぎて、ちょっと引きながら読みました。これといった印象は持たなかったお話ですが(笑)、それからも「うそつき」の嘘は直らなかった、というオチは笑えました。改心して良い子になりました、というありきたりなオチよりかは却って面白かったです。

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前回の『姉妹』に続いて、今回は『ステージ』です。
ちなみに私はサンコミ版しか持っていないので、基本的にサンコミ版の掲載順で書いていきます。

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◆ステージ

3歳の目黒佑一は、テレビが好きな男の子。
父親を迎えに行こうと、青信号になった横断歩道を渡っている最中に父を見つける。だがそこへ信号無視の車が横断歩道に突っ込んできたので、父親は息子をかばってはねられてしまう。車は一瞬停車したが、すぐに走り去ってしまった。その直後、おろちが行き合わせ父を助け起こす。父は大丈夫ですと言いながら佑一と一緒に帰っていった。しかしおろちが心配したとおり、父親はその夜苦しみながら死んでいった。佑一は、父を殺した犯人を知っていると言い、それはテレビに出ている「おはようのおにいたん」だと言い続けた。
おはようのおにいたん-田辺新吾には事件当日のアリバイがなかったが、田辺は反抗を否認し、裁判の日を迎える。傍聴人として出席したおろちにも、田辺の態度を見て彼が犯人だと確信するが、結局佑一の証言は裁判では認められず、田辺は無罪になってしまった。その後、田辺は引退宣言をして、テレビから姿を消した。
田辺の引退後すっかりテレビ嫌いになり、どこか暗い影を持つ少年に成長した佑一は、中学を卒業後に上京。クラブで働きながら歌の練習をし、オーディションに出演。1位をもぎ取り、大人気の歌手・花田秀次の内弟子になった。
花田の家に住み込みで働きながら、こと細かに花田の世話をする佑一は、次第に花田の信頼を得ていく。花田と一緒に歌や演技のレッスンもするようになっていった。嫌いだった芸能界に自ら足をさしいれた佑一の姿におろちは、全ての人を今に見返してやろうとしているのだと思った。
ある日、佑一は兄弟子の仕業に見せかけて、花田に水銀を飲ませる。喉が潰れて声が出なくなった花田に佑一は、自分が代わりに歌うことを提案。花田の特徴を真似て歌った佑一の歌声は、今までの花田にはない新鮮な魅力があって好評だった。次第に佑一自身にもお金が入るようになり、佑一は花田へのプレゼントにとスポーツカーを買って、今後は自分が運転手を勤めると言った。そしてテレビの出演が終わり、酒を飲んだ花田を車に乗せた佑一は、スピードを出して運転していく・・・。

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父親を殺しながらも裁かれなかった男に対して、物凄く長い時間をかけた、綿密で周到な復讐物語に仕上がっています。じわじわと追いつめていく佑一の復讐は、端から見たら嫌ですね。それだけ佑一の強い気持ちの表れでもありますが。
佑一の復讐が実を結ぶ結末は、後味の悪いエピソードが多い「おろち」の中では、ハッピーエンドと言える異色作になっています。故郷に帰ってからも周囲からは変わらず白い目で見られますが、それでも晴れ晴れとした佑一の表情には、読み手にもすっきりした気持ちにさせてくれます。良いエピソードでした。

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楳図かずお作品を読んでみたいならまず「おろち」を、という一文をネットで見つけて、それに倣って最初に買った作品です。それまで楳図先生には”へびもの&怖い”のイメージしかなかったけれど、「おろち」の完成度の高い絵とストーリーを見て、そのイメージが180度変わりました。そして、どっぷり楳図作品に嵌るきっかけにもなりました。


主人公はサイコキネシスなどの能力を持つ不老不死の少女「おろち」。でも本当の主人公は、おろちが『見ている人』です。彼女はあくまでも狂言回しの存在。まあ、積極的に介入してくる話や直接当事者になる話もありますが。
ストーリーは全9話で、それぞれが独立した内容になっています。ほんとバラエティに富んだ内容になっています。


今回は『姉妹』について書きます。1話目から中々強烈なストーリーになっていました。


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◆姉妹

嵐を避けるために、おろちはある家にお手伝いとして入り込む。その家-龍神家-には姉のエミと妹のルミが住んでいた。二人は仲の良い姉妹であったが、ともに18歳になるのを異常なほど恐れていた。
ある日、エミが恋人に会いに家を出ていった矢先に、彼女たちの母親が死亡する。死の間際に母親はルミの耳元で何かを囁き、ルミはその話にショックを受けるが、二人の側にいたおろちには内容は聞こえなかった。母親のあまりの醜さに絶句するおろち。そして母亡き後、ルミは姉に対して優しく振舞うようになった。その様子は、姉と同じように18歳を迎えることを怖がっていたのが嘘のようだった。そんな折、エミの恋人の弘が家を訪ねてくるが、エミは「会いたくない!」と言って部屋に篭ってしまう。代わりにルミとおろちが対応する。エミのことを問い詰める弘に対して、ルミは龍神家の秘密を語り始める。龍神家の血を引く娘は、18歳の誕生日を迎えると額や手にホクロのようなものが出来て、やがてそれが全身に広がり醜く崩れていく、という内容だった。更に、自分は龍神家の娘ではなかった、という母親の遺言も話した。ところがエミにその遺言を立ち聞きされてしまう。
その日を境に、嫉妬に狂ったエミはルミに対して毎日暴力を振るうようになり、ついには誕生日の前日に「醜くなるくらいなら、自分で醜くする!!」と、焼けた棒を自分の額と手に当てた。次の日に再び弘が訪ねてきたが、すっかり変わり果てたエミの姿に驚き言葉を失う。その態度に激昂したエミはルミを人質にとり、ボウガンで弘とおろちを撃って出て行けと叫ぶ。おろちは自身の力で自分と弘に当たった矢の急所を外し、どこにいても姉妹の様子が見えるようにしておいた。そして妹が18歳の誕生日を迎える。妹だけが美しいままでいることを嘆くエミに対し、高らかな笑い声を上げながらルミが現れた・・・。

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最初は凄く仲の良い姉妹として書かれていたのに、後半はそれと対比するかのような修羅場の嵐が凄かったです。同じ姉妹として育ちながら、片方だけが美しいままでいるという事実に嫉妬し憎み、そしてどこまでも「美」に執着する姉妹のキチガイっぷりは、ある意味、楳図先生お得意のホラーになっていました。おろちのお約束であるラストのどんでん返しには思わずびっくりしました。でも素晴らしいストーリーでした。個人的に一番好きです。

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今年に入ってから、楳図かずお作品にすっかり嵌りました。
たまたま「ソク読み」という電子書籍が読めるサイトに行き着き、氏の作品を試しに読んでみたのがきっかけです。
それまでは名前が出ただけで母が「怖い!」ばっかり言うので、それに釣られて私自身も怖い漫画なんて絶対に見たくないと勝手に思っていました。ですが怖いもの見たさの心理が唐突に働いて(無料だと途中までしか読めなかったけど)、いざ読んでみたら、何か面白そうじゃないか!続きが読みたい!となりました。現在進行形でコミックスを収集中。

楳図かずお先生に関しては最近嵌りだしたひよっこのような私が言うまでもなく、各所でたくさん書かれているので、特には書きません。このブログではそれぞれの作品に対する私なりの感想を書いていこうと思っています。でも大それた文章は書けないので、小学生の感想文みたいになるかも。

なお、いろいろ意見があるかと思いますが、私は古い作品を読むのならなるべく古い版のものを買うようにしています。新しい版は現在出版社が勝手に自主規制をしてしまい、台詞が書き換えられていることが多々あるからです(顕著なのが「きちがい」でしょうね)。出来れば文章くらいはオリジナルの状態で読みたいものです(発行年代が昭和なら間違いないでしょう)。アマゾンのマーケットプレイスやネットークションには凄くお世話になっています。まあでも小学館クリエイティブから出ている復刻版もいずれは買うつもりです。装丁とか面白そうだし。

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