楳図かずお作品を読んでみたいならまず「おろち」を、という一文をネットで見つけて、それに倣って最初に買った作品です。それまで楳図先生には”へびもの&怖い”のイメージしかなかったけれど、「おろち」の完成度の高い絵とストーリーを見て、そのイメージが180度変わりました。そして、どっぷり楳図作品に嵌るきっかけにもなりました。
主人公はサイコキネシスなどの能力を持つ不老不死の少女「おろち」。でも本当の主人公は、おろちが『見ている人』です。彼女はあくまでも狂言回しの存在。まあ、積極的に介入してくる話や直接当事者になる話もありますが。
ストーリーは全9話で、それぞれが独立した内容になっています。ほんとバラエティに富んだ内容になっています。
今回は『姉妹』について書きます。1話目から中々強烈なストーリーになっていました。
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◆姉妹
嵐を避けるために、おろちはある家にお手伝いとして入り込む。その家-龍神家-には姉のエミと妹のルミが住んでいた。二人は仲の良い姉妹であったが、ともに18歳になるのを異常なほど恐れていた。
ある日、エミが恋人に会いに家を出ていった矢先に、彼女たちの母親が死亡する。死の間際に母親はルミの耳元で何かを囁き、ルミはその話にショックを受けるが、二人の側にいたおろちには内容は聞こえなかった。母親のあまりの醜さに絶句するおろち。そして母亡き後、ルミは姉に対して優しく振舞うようになった。その様子は、姉と同じように18歳を迎えることを怖がっていたのが嘘のようだった。そんな折、エミの恋人の弘が家を訪ねてくるが、エミは「会いたくない!」と言って部屋に篭ってしまう。代わりにルミとおろちが対応する。エミのことを問い詰める弘に対して、ルミは龍神家の秘密を語り始める。龍神家の血を引く娘は、18歳の誕生日を迎えると額や手にホクロのようなものが出来て、やがてそれが全身に広がり醜く崩れていく、という内容だった。更に、自分は龍神家の娘ではなかった、という母親の遺言も話した。ところがエミにその遺言を立ち聞きされてしまう。
その日を境に、嫉妬に狂ったエミはルミに対して毎日暴力を振るうようになり、ついには誕生日の前日に「醜くなるくらいなら、自分で醜くする!!」と、焼けた棒を自分の額と手に当てた。次の日に再び弘が訪ねてきたが、すっかり変わり果てたエミの姿に驚き言葉を失う。その態度に激昂したエミはルミを人質にとり、ボウガンで弘とおろちを撃って出て行けと叫ぶ。おろちは自身の力で自分と弘に当たった矢の急所を外し、どこにいても姉妹の様子が見えるようにしておいた。そして妹が18歳の誕生日を迎える。妹だけが美しいままでいることを嘆くエミに対し、高らかな笑い声を上げながらルミが現れた・・・。
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最初は凄く仲の良い姉妹として書かれていたのに、後半はそれと対比するかのような修羅場の嵐が凄かったです。同じ姉妹として育ちながら、片方だけが美しいままでいるという事実に嫉妬し憎み、そしてどこまでも「美」に執着する姉妹のキチガイっぷりは、ある意味、楳図先生お得意のホラーになっていました。おろちのお約束であるラストのどんでん返しには思わずびっくりしました。でも素晴らしいストーリーでした。個人的に一番好きです。
主人公はサイコキネシスなどの能力を持つ不老不死の少女「おろち」。でも本当の主人公は、おろちが『見ている人』です。彼女はあくまでも狂言回しの存在。まあ、積極的に介入してくる話や直接当事者になる話もありますが。
ストーリーは全9話で、それぞれが独立した内容になっています。ほんとバラエティに富んだ内容になっています。
今回は『姉妹』について書きます。1話目から中々強烈なストーリーになっていました。
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◆姉妹
嵐を避けるために、おろちはある家にお手伝いとして入り込む。その家-龍神家-には姉のエミと妹のルミが住んでいた。二人は仲の良い姉妹であったが、ともに18歳になるのを異常なほど恐れていた。
ある日、エミが恋人に会いに家を出ていった矢先に、彼女たちの母親が死亡する。死の間際に母親はルミの耳元で何かを囁き、ルミはその話にショックを受けるが、二人の側にいたおろちには内容は聞こえなかった。母親のあまりの醜さに絶句するおろち。そして母亡き後、ルミは姉に対して優しく振舞うようになった。その様子は、姉と同じように18歳を迎えることを怖がっていたのが嘘のようだった。そんな折、エミの恋人の弘が家を訪ねてくるが、エミは「会いたくない!」と言って部屋に篭ってしまう。代わりにルミとおろちが対応する。エミのことを問い詰める弘に対して、ルミは龍神家の秘密を語り始める。龍神家の血を引く娘は、18歳の誕生日を迎えると額や手にホクロのようなものが出来て、やがてそれが全身に広がり醜く崩れていく、という内容だった。更に、自分は龍神家の娘ではなかった、という母親の遺言も話した。ところがエミにその遺言を立ち聞きされてしまう。
その日を境に、嫉妬に狂ったエミはルミに対して毎日暴力を振るうようになり、ついには誕生日の前日に「醜くなるくらいなら、自分で醜くする!!」と、焼けた棒を自分の額と手に当てた。次の日に再び弘が訪ねてきたが、すっかり変わり果てたエミの姿に驚き言葉を失う。その態度に激昂したエミはルミを人質にとり、ボウガンで弘とおろちを撃って出て行けと叫ぶ。おろちは自身の力で自分と弘に当たった矢の急所を外し、どこにいても姉妹の様子が見えるようにしておいた。そして妹が18歳の誕生日を迎える。妹だけが美しいままでいることを嘆くエミに対し、高らかな笑い声を上げながらルミが現れた・・・。
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最初は凄く仲の良い姉妹として書かれていたのに、後半はそれと対比するかのような修羅場の嵐が凄かったです。同じ姉妹として育ちながら、片方だけが美しいままでいるという事実に嫉妬し憎み、そしてどこまでも「美」に執着する姉妹のキチガイっぷりは、ある意味、楳図先生お得意のホラーになっていました。おろちのお約束であるラストのどんでん返しには思わずびっくりしました。でも素晴らしいストーリーでした。個人的に一番好きです。
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