日本の昔話での中で実は一番好きかもしれない「鉢かつぎ姫」。初めてこのお話を知ったのは「まんが日本昔ばなし」です。しかも知ったのはほんの数年前で、それまで20年以上生きていたのに題名すら知らなかったです。日本のお姫様として知っていたのは「かぐや姫」ぐらいかなぁ。
全て見終わった後には、日本にはこんなに素敵なお話があったのか!と昔話の面白さに感動したと同時に、自分の昔話に対する知識の無さにショックも受けました。このショックをきっかけに昔話をきちんと勉強しようと決めました。
つまり「鉢かつぎ姫」は、私にとってはいろいろな意味で思い出深い作品なんです。
日本版シンデレラとも言えるストーリーですが、私的にはシンデレラよりも鉢かつぎ姫の方がずっと過酷な状況に思えて、だからこそラストの展開がより光ってくるように感じられます。お姫様でありながら召使のように働かされて、それでも文句を言わずに健気に頑張る姿は、現代においてはいろいろと考えさせられます。そして宰相殿と無事に結婚する結末は、読む度に涙ぐんでしまいます。もっと多くの日本人に知ってもらいたいお話です。
鉢かづき (日本の物語絵本)
こちらはポプラ社の絵本です。絵が個人的に凄く好みのタッチです。鮮やかで柔らかな色遣いがとっても綺麗です。
姫の衣装の華やかさは言うまでもないですが、お付きの者から子供まであらゆる人物の衣装がとても細かく丹念に描かれています。着物の模様ですら、よく見れば一人一人違っています。小物等も本当にきちんと描かれています。
また文章で何よりも印象的だったのは、嫁くらべの場面での衣装や小物の描写が、子供向けの絵本とは思えないほど緻密に書かれていることです。姫の衣装だけでも「白い絹のはだぎの上に、唐綾のうす紅に、紫もようのかさね小袖、真紅のはかま」と、こんな文章で表現されているんですよ。こんな感じの表現があと兄嫁三人分あるんですよ。ここまで高度な表現されていると、大人向けの本にも思えてきます。「小袖」なんて言葉、今の日本人にはチンプンカンプンじゃないかな?
文章を書いた人は、1931年の満州生まれだそうです。何か納得。この文章は戦前世代の人じゃないと書けないと思う。
鉢かつぎ姫 (新・講談社の絵本)
こちらは講談社の絵本です。ポプラ社とはまた絵の雰囲気が違っていて、こちらの絵本は落ち着いた色彩で纏められています。人物もかなり日本画に近いタッチで描かれています。そういう点では、とても贅沢な絵本ですよね。
こんな絵本が新しく作られることは二度とないでしょうね。あくまでこの絵本シリーズは、昔講談社が出していた物の復刻版ですし。
やっぱり主役の姫から脇役に至るまで、描かれている全ての人物の衣装や模様は一人一人違っています。そういう細かい所も妥協せずに描く点は、素直に凄いなぁと思います。
文章は子供にも理解できるように、わかりやすく書かれています。先に述べたように、ポプラ社版は高度な表現をされている文章と所々に和歌が出てくることと相俟って、人によってはとても難しく感じるかもしれません。その点、講談社版は小難しい文章は特になく、誰が見ても読みやすいかと思います。
どちらの絵本も作者の個性が溢れていて、買ってよかったです^^しかし同じお話でも、ラストの展開がかなり違っていて少しびっくりしました。講談社版は結婚して終わりですが、ポプラ社版は結婚して子供を授かり、その後長谷の観音前で父親と再開するという結末でした。
ついでに言うと、それぞれの絵本のあとがきには観音様について触れていましたが、鈍感な私は信仰心のことまでは読み取れなかったので、その辺りは反省しきりでした;もっと感性を磨かなければ。
全て見終わった後には、日本にはこんなに素敵なお話があったのか!と昔話の面白さに感動したと同時に、自分の昔話に対する知識の無さにショックも受けました。このショックをきっかけに昔話をきちんと勉強しようと決めました。
つまり「鉢かつぎ姫」は、私にとってはいろいろな意味で思い出深い作品なんです。
日本版シンデレラとも言えるストーリーですが、私的にはシンデレラよりも鉢かつぎ姫の方がずっと過酷な状況に思えて、だからこそラストの展開がより光ってくるように感じられます。お姫様でありながら召使のように働かされて、それでも文句を言わずに健気に頑張る姿は、現代においてはいろいろと考えさせられます。そして宰相殿と無事に結婚する結末は、読む度に涙ぐんでしまいます。もっと多くの日本人に知ってもらいたいお話です。
鉢かづき (日本の物語絵本)
こちらはポプラ社の絵本です。絵が個人的に凄く好みのタッチです。鮮やかで柔らかな色遣いがとっても綺麗です。
姫の衣装の華やかさは言うまでもないですが、お付きの者から子供まであらゆる人物の衣装がとても細かく丹念に描かれています。着物の模様ですら、よく見れば一人一人違っています。小物等も本当にきちんと描かれています。
また文章で何よりも印象的だったのは、嫁くらべの場面での衣装や小物の描写が、子供向けの絵本とは思えないほど緻密に書かれていることです。姫の衣装だけでも「白い絹のはだぎの上に、唐綾のうす紅に、紫もようのかさね小袖、真紅のはかま」と、こんな文章で表現されているんですよ。こんな感じの表現があと兄嫁三人分あるんですよ。ここまで高度な表現されていると、大人向けの本にも思えてきます。「小袖」なんて言葉、今の日本人にはチンプンカンプンじゃないかな?
文章を書いた人は、1931年の満州生まれだそうです。何か納得。この文章は戦前世代の人じゃないと書けないと思う。
鉢かつぎ姫 (新・講談社の絵本)
こちらは講談社の絵本です。ポプラ社とはまた絵の雰囲気が違っていて、こちらの絵本は落ち着いた色彩で纏められています。人物もかなり日本画に近いタッチで描かれています。そういう点では、とても贅沢な絵本ですよね。
こんな絵本が新しく作られることは二度とないでしょうね。あくまでこの絵本シリーズは、昔講談社が出していた物の復刻版ですし。
やっぱり主役の姫から脇役に至るまで、描かれている全ての人物の衣装や模様は一人一人違っています。そういう細かい所も妥協せずに描く点は、素直に凄いなぁと思います。
文章は子供にも理解できるように、わかりやすく書かれています。先に述べたように、ポプラ社版は高度な表現をされている文章と所々に和歌が出てくることと相俟って、人によってはとても難しく感じるかもしれません。その点、講談社版は小難しい文章は特になく、誰が見ても読みやすいかと思います。
どちらの絵本も作者の個性が溢れていて、買ってよかったです^^しかし同じお話でも、ラストの展開がかなり違っていて少しびっくりしました。講談社版は結婚して終わりですが、ポプラ社版は結婚して子供を授かり、その後長谷の観音前で父親と再開するという結末でした。
ついでに言うと、それぞれの絵本のあとがきには観音様について触れていましたが、鈍感な私は信仰心のことまでは読み取れなかったので、その辺りは反省しきりでした;もっと感性を磨かなければ。
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